夢だけで飯が食えるか!

 何だか微妙に体の調子が悪いのがおさまりません。花粉症のせいなのか風邪のせいなのか?よくわからないけど、とりあえず早めに寝ておきたいかな。
 その前に、なんとなくGWクロボン紹介。

XM-X1 クロスボーン・ガンダムX1改・改(ピーコックスマッシャー装備)
変革の叛旗
UNIT
U-C92 赤 2-6-2 R
《[2・5]》換装〔クロスボーンガンダムX1改〕
【マルチプル>《[2・5](0)》手札1枚を無作為に廃棄する。その場合、戦闘エリアにいる敵軍ユニットX枚までを選んでXダメージを与える。Xの値は、廃棄したカードの合計国力の値と同じとする】
(自動A):このカードの「マルチプル」では、「名称:クロスボーン・ガンダムX1」であるユニットを、このカードと同じ名称のユニットとして扱う事ができる。

宇宙 地球 [5][2][5]

 第19弾に収録された、射撃兵装「ピーコックスマッシャー」を装備したクロスボーン・ガンダムX1改・改。射撃武器を持っているだけあって通常の形態より射撃力が2あがっているが、別に改・改より資源や合計国力のコストが増えているというわけではない。まあ、何故かマルチプルには国力コストがついてしまったが。
 そのマルチプルテキストは、簡単に言うと「手札を1枚廃棄して、そのカードの合計国力分までの枚数の敵軍部隊のユニット達にその数と同じダメージを与える」というもの。改・改なので、例のごとく弾はクロスボーン・ガンダムX1限定。同じく射撃兵装を装備したザンバスターがバウンス系のテキストであったのに対して、こちらは射撃武器としてのそれらしく相手を焼き払う物となっている。
 始めに一言このテキストの性質を説明すると、とてつもないほどの強さを秘めたテキストである。この効果で手札のクロスボーン・ガンダムを引き当てれば、出撃している相手のユニット6〜7枚に6〜7ダメージを与える事ができるのだ。しかも、エリア一つ、などの指定もないので宇宙、地球両方からのアタックをも阻止可能。戦闘エリアに出てくるユニットなどせいぜいあわせて4枚くらいである事がほとんどであり、その防御力もだいたいが6にまでは届かない事がGWではほとんどなので、その破壊力は非常に高いといっていいだろう。この効果の後生き残った相手もしっかりとダメージは受けているはずなので、その後で通常通り防御に行けばしっかりと残りも処理が出来るはずだ。また、マルチプルの発動タイミングである戦闘フェイズでさえあればタイミングも、自分がいるエリアの指定もない。これは特に強力で、防御ステップに戦闘エリアにいる事で強力な効果を発揮するケンプファー※1やパラス・アテネ※2ガンダムヴァサーゴチェストブレイク※3などのカードに対して、出撃後攻撃ステップに焼き払ってしまう事でかなり強力な対抗手段となる。そして自分が攻撃に出撃している際にも防御ステップの規定の効果後に出てきた相手をまとめて焼き払ってしまえばブロッカー対策にもなるのだ。その使用用途は多岐にわたり、また非常に強力である。
 だが、そんなテキストを得た代償なのか、とにかく使いづらい。俺は始めてこのカードを見たとき、そのパワーにクロボンの春再来ではないかとすら一瞬思ってしまっていたが、よくよくテキストをながめてみると決して無視できない要素が二つあった。
 その一つがまず、「手札廃棄は無作為である」ということだ。これはとんでもなく痛い。別に、手札の中のキーカードが使えなくなるかも……ということくらいならまだいいのだが、問題なのはこの効果によって敵ユニットに与えるダメージはそうして廃棄したカードの合計国力による、という事である。つまりどういう事が起こるのかといえば、クロスボーン・ガンダムデッキとはコア・ファイターからの換装で各クロスボーン・ガンダムを出していくデッキであるわけなのだが、つまり、通常このカードもコア・ファイターからの換装で場に出る事になる。そしてこのカードのテキストは奇襲的に使う事で真価を発揮する……のだが、敵軍攻撃ステップの規定の効果後に換装して場に出た場合、手札には必ずコア・ファイターがいるとうことになり、このカードのマルチプルによってそのコア・ファイターを廃棄しかねないのだ。そうなってしまうと、こちらはコア・ファイターを失う事で後続のクロスボーンをつなぎにくくなってしまい、敵に与えるダメージはわずか1枚に1ダメージ。そして当然弾も1つ失っている、とあまりにもひどい状況になってしまうのだ。Gを切った場合はなんと0枚に0ダメージ、つまり何も起こらないくせにマルチプルの弾だけ失ってしまう。そしてこのカードが相手の出撃前にすでに場にいるなら、相手は警戒してそれなりの対策ができるまで迂闊に攻め込んでは来ないだろう。……まあ、相手の攻撃をためらわせる事ができる、とも考えられなくはないかもしれないが。つまり、最も廃棄したい手札の「クロスボーン・ガンダム」を的確に狙いづらいのである。
 2つ目は、(0)とあるのでこのカードのテキストが1ターンに1度しか使えないこと。つまり、たとえクロスボーンを廃棄できたとしても、完全にそのダメージの限度が知れてしまっているのだ。このカードが1枚では、せいぜい7枚に7ダメージまでと読みきられてしまうので、計算されて行動されると厳しい状況におちいりやすい。通常のマルチプルのように何回でも使えるなら、非常時には手札を全て廃棄してでも敵を迎え撃つ、などのことも出来たのだが……この他にも、テキストに国力制限があるので換装してすぐは使えない、手札を廃棄する上、Gなどのカードが手札に増えると効果が弱くなるので内憂外患※4、民意の獲得※5、他各種カウンターなどの赤の優秀なカードと相性が悪い、そしてまた問題なのは手札が1枚もない場合は絶対に効果を使えないことというのもある。とにもかくにも、このカードが猛威をふるうにはまとわりつく制約があまりにも多いのだ。
 また、このカードは戦闘エリアにいるカードにダメージを与える効果なので、特殊シールドで普通に減殺されてしまうのもかなり問題。通常なら6〜7ダメージも受ければ生き残れる相手などほとんどいないのだが、特殊シールドを含めた防御力だと結構残ってしまう。特に現在トップメタの白はサイズも大きく特殊シールドもあるため、とても焼き払いづらい。そして、前述のようにこのカードは1枚では焼ける分に限度がある。トップメタのデッキに弱い、というのはかなり痛い部分だ。それはすなわち「デッキに入れづらい」という事に直結するからである。
 しかし、前述したようにカードパワーは非常に高いので、モルゲンレーテ※6などを使用することで手札を調整してクロスボーンを残す、などのギミックを組めばマルチプルに確実性が増えて、十分に戦術として信頼する事が可能。ただ、モルゲンレーテを入れると色的な問題で赤茶にはしづらいのが問題。デート※7さえ制限を食らわなければなぁ……ちなみに、このカードはデートをデッキに入れる事で簡単に赤茶での運用が出来たはずが、ちょうどこのカードが収録される直前くらいにデートが制限をくらい、またそれまで主流であり、このカードが非常に強力な対策となる各中速デッキがちょうどこの時くらいに最盛期をすぎていたりと、時代的に掴み損ねた感があると個人的に思っている。換装が昔のままだったら初代X1と強力なシナジーがあったはずのX1改ロケットブースターも、出る直前くらいに換装がエラッタをうけたしなあ。つくづく、クロボンというカードにかけられている販売元からの愛がいかほどなのか計りかねる。
 また、他のクロスボーン関連のカードでは、X1改はいい相棒といえる。ピーコックとX1改はお互いに相互換装が可能で、ピーコックが戦闘エリア焼きに特化した能力なのに対して改は相手がリロール状態でさえあれば相手の配備エリアも焼けるので、ピーコックに躊躇して戦闘エリアに出てこなかった相手を換装から自軍ターンに焼き払う、改からピーコックに換装する事で手札にクロスボーンを入れつつマルチプルを使う……などのある種理想的な流れがくめる。問題は、両方ともそれ単体では大した能力を持っていないところではあるが……
 また、たった6日のクエストで手札にクロスボーン・ガンダムを呼び込める期待値が高いデッキなら、マルチプルの弾にしろ廃棄するカードにしろこのカードにしろサーチしやすいと思われるので、今までのクロスボーンでは抵抗しづらい相手にも対抗手段を持てる分、隠し玉的な採用を考えてもいいのではないのだろうか。前述したが各種中速、他にも特にサイクロプス隊※8に対して強烈な反撃手段を持つ事ができる。とにかく、夢だけはある種改・改以上にてんこ盛りなのである。
 ちなみに、今日考えていて気付いたのだが、各種枚数指定型の効果に対して天敵となる、「その効果にカットインして対象のうち1枚を場から離すことで効果全体の解決を失敗させる」というプレイングだが、ザンバスターとは違って、おそらくピーコックのマルチプルにはこのプレイングが通用しない。というのも、通常は効果の発動時に対象を指定するのだが、この効果は手札を捨ててその合計国力を参照するまで対象とするカードが何枚になるのかがわからず、場合によっては0枚にすらなるので発動時に対象の指定は出来ない。よって、プレイヤーが対象を決めるのは必然的に効果の起動後、手札を捨てた後であるはずで、そうだとするならば、このタイミングは依然効果の起動中なので、自分も相手もこのタイミングにカットインする事ができず、対象の指定からダメージを与える効果の解決までが即座に行われるはずだ。なので、慈愛の眼差し※9等は警戒しなくていいというのが俺の理論。ちなみに、この理論が正しければ、特殊シールドをこの効果に対して起動する際も、ダメージが確定する前に使用しておかなければならないのだと思う。……まあ、あんまりこの事に意味はないが。
 ……まあこのことはこれでいいとして、ここからは完全な蛇足です。
 そこからさらに考えたのだけれど、じゃあ例えば場にザンバスターが1枚だけで戦闘エリアに出て、マルチプル始動の宣言にカットインで撤退命令などを使われて手札に戻った場合でも、効果は待機中なので起動するわけですが、その時の対象はどうなるんでしょうね?その時マルチプルで選んだ敵軍ユニット1枚がかわらず手札に移るのなら、「発動宣言時に対象をすでに指定している」という事になると思うので、ザンバスターのマルチプルで複数枚を指定した際、各種「指定されたうち1枚を場から離して無効」というプレイングが適用できるのだと思いますが、これが「場にクロボンが0枚なので、指定できるX枚が0になって解決失敗」ということになるのだったら、対象を宣言時ではなく効果が起動してから場のクロボンの枚数によって決めているのだから、それらの効果による逃げ道が封鎖される事になる気がします。しょうもない屁理屈なのかもしれませんが、自分にとってザンバスターがコア・ブロックシステムや、レコードブレイカー、戦場の慈愛などを恐れなくていいようになるかもしれないという可能性は小さな要素ではないので、今度どこかでこの疑問をはっきりさせたいですね。


※1「ケンプファー」……「戦慄の兵威」に収録されているケンプファー。緑5国力(ブースト有り)で、一緒に攻撃に出ているチーム「サイクロプス隊」の数だけ、敵軍ユニットや本国に3ダメージを与える事が出来るユニット。その制圧力はあまりにもすさまじいが、テキストの使用タイミングが防御ステップなので、攻撃ステップ中にチームともども焼き払ってしまえば効果を使う事ができず壊滅する。
※2「パラス・アテネ」……簡単に言えば、プレイされたときの自軍国力分だけ、出撃した時に相手ユニットの防御力を−できる効果を持つ黒5国のユニット。だがこのタイミングも防御ステップで、防御力はわずかに4。焼き払うには12分に射程内。
※3「ガンダムヴァサーゴ・チェストブレイク」……何度か説明した気がするので詳しくは書かないが、これまた強力な出撃後の焼き能力を持つ。だが、やはりタイミングが防御ステップであり、攻撃力特化のせいか6国のくせに防御力が4しかない。たとえ部隊編成の影響下でも十分に焼ける。
※4「内憂外患」……やはり説明は省くが、とにかく、このカードの効果は手札を切ると発動するので、そのコストとしてはなるべくその場その場で使い道の薄いカードが適任となるのは当然だが、そうやって国力の低いカードを手札に残しておくとピーコックでハズレを引く可能性が高まってしまう。
※5「民意の獲得」……自軍本国の上から2枚見て、その中のG1枚を手札に移す赤2国のオペレーション。G限定だが、恒久的に手札を増やせるので内憂外患と非常に相性がいいし、手札は多ければ多いほど基本的に何かと助かる。しかし、Gは合計国力を持たないので、ピーコックの弾に選ばれてしまった場合の結果はあまりにも悲惨。
※6「モルゲンレーテ」……説明は省く。とにかく、これを入れておけばどんなデッキでも手札をハンガーに移す事が可能である。だが、指定国力を発生しないため、これを組みこむと混色への派生が若干難しくなってしまう。
※7「デート」……自軍G1枚をロールしつづけることで、その枚数だけ手札をハンガーに移せる茶2国力のオペレーション。これを使用すれば簡単に手札を調整できるので、マルチプルの素材を確保しやすい赤茶クロスボーンにピーコックを混ぜる事ができたはずなのだが……今デッキ1枚制限となってしまっている。さすがにそれを頼って赤茶にするのは若干頼りないし、そうするくらいなら最初から赤単+モルゲンレーテでの運用を考えた方がいいというものだろう。
※8「サイクロプス隊」……ほとんど戦慄ケンプファーのワンマンデッキだが、そのケンプファーのテキストがあまりにも強いデッキ。通常のクロスボーンで対抗するにはあまりにも勝ち目の薄い相手だが、ズゴッグEによる対象全てへの効果解決失敗によって部隊全滅を防ぐプレイングもつかえないとなれば、(俺の理論が正しければ)ピーコック1枚が出てしまえば勝負を決められる相手である。ただ、あとにはボッシュ、ガトー、G割りという問題も残っているが……
※9「慈愛の眼差し」……何度も説明してきたと思うので説明は省くが、複数枚指定する効果に対する、対象の喪失という効果を引き起こすカードの中ではかなり主流なカードである。