ま、こんなもんか……

 聖魔の光石の小説を読み終わりました。ですが、正直に言うとハズレを引いた感じですね。少なくとも俺にとって2000円の価値はなかった。
 まず、俺の好きなエフラムが、同じ主人公にもかかわらず大部分でサブに近い扱いを受けてしまっていた事に対する憤りという私的な感情も大きかったのですが、それ以外ではとにかく内容が薄いのが問題ですね。無理に全章分の話を書いてしまっているせいで、一話一話にあたる部分がどうしても薄い。章前、章後のイベント部分は割としっかりかかれていたりもするのですが、特に戦闘パートの薄さはいかんともしがたいです。最後のリオン戦などナグルファルの存在が消えてました。つうか、リオンは一度も攻撃してなかったような。……その点に関してもう一つ言えば、何故か他の部分が全てエイリーク編準拠となる展開にもかかわらず、リオンの設定がエフラム編(リオンは魔王に抗っている)になっていたのは、勝手ながら私的にいただけませんでした。あれだけエフラムの描写は省いてきたくせに、都合のいい設定だけは借りるのか。
 あと、戦争ものであるはずにもかかわらず、例え少しでも生々しい表現を避ける傾向がある。この小説を見ていて、「血」という単語は1〜2回ほどしか見た覚えはありません。よって、総じて迫力も臨場感も無い。
 とにかく、あれだけの内容を書くには絶対的に長さが足りない作りでした。もっといらない章をはぶくとかすればよかったはずなのですが……
 つうか、そもそも聖魔はよりダイレクトに「主人公は二人」なゲームであるからして、書くとするなら三人称的な視点がよかったのではと思うのですがね。下手にエイリーク視線にせずに。……まあ、これがエフラムからの視点だったなら、そう思いはしても「まあいいや」と思っていただろうというのが本音ですが。
 とにかく、内容もあまりよくはない上に、キャラ養分(エフラムの描写)も補充できなかったというのが俺にとって最大の難点でしょうか。