※だからききませーん!

 今日からあと一週間で弟と妹の受験が終わります。なので、俺は今日から、彼らが家にいる時はゲームはしないことを決めました。
 ただそれでネタができたわけでもないですし、今日はGTGのクロスボーン・ガンダムX2の解説をします。

XM-X2 クロスボーン・ガンダムX2
ガンダム・ザ・ガンダム
UNIT
U-C74 赤 2-6-1 U
特殊シールド(1)
【マルチプル>このカードが戦闘エリアにいる場合、敵軍ユニット1枚はターン終了時まで*/±0/±0を得る】
(自動A):このカードの「マルチプル」では、「名称:クロスボーン・ガンダム」であるユニットを、このカードと同じ名称のユニットとして扱う事ができる。

宇宙 地球 [5][1][5]

 前回紹介したクロスボーン・ガンダムX1と同じパックに収録されているクロスボーン・ガンダムX2。レアリティも同じくアンコモンである。そのマルチプルの効果は、相手一体の格闘力を※に変更してしまうというもの。GWにおいて※とは戦闘力の数値において0よりも低い値で、すなわちその後やその前にどんなプラス修正を加えられても0から変化しない値を表す。つまり、相手が一体だけの出撃をしているなら、よほど妙なギミックを使われない限りそのユニットからの打点を完全に抑える事ができるのだ。だが、破壊する、手札に戻す、ロールするなどの効果も相手の部隊戦闘力を低下させる事につながり、かつ次から使えなくなる、もしくは次に出撃できなくなるなどの制限をかすことができるので、そのような効果に比べるとこういった類の効果はあまり凄い効果でもないのだが、その分このカードのマルチプルは国力指定もなく、戦闘エリアにさえいれば効果を起動できるので非常に発動がしやすい。デッキ構築を赤茶にしておけば、弾を気にする必要もそうはないだろう。
 また、それらの効果が強力な物である事を販売元も理解しているためか、「破壊されずダメージを受けない」「移動しない」「ロールしない」という敵軍効果に対するアンタッチャブルテキストを持っているカードは多く存在するが、「敵軍効果によって戦闘修正を変更されない」という効果はおそらくだが、GWには存在しない。なので、普通に移動や破壊の効果を使うよりはこの能力が通りやすいのである。その性質から、一体のユニットによる一瞬の打点に全てをかけたシュートデッキにおけるフィニッシャーなどを相手にするには相性がいい。それらのユニットにはシャア・アズナブル※1をセットすることで移動への耐性をつけ、自身のサイズで破壊への対策をつけられたとしても、戦闘修正を変更する、というこのカードの効果には太刀打ちできない事が多いからだ。後は相手のターンのたびにそのキーユニットの格闘力を失わせてやれば、勝ち筋を失ったそのデッキにもはや勝利は無いだろう。
 ……と、ここまではいったものの、総評を言わせてもらえば正直このカードは使えないの一言だ。まず一番大事なのは、このカードはコストとしてクロスボーン・ガンダムを必要とするくせに、ボードアドバンテージを取っていないと言う事だと思う。先ほども言ったが破壊や移動させて、場からそのユニットをどかせばそれはアドバンテージ的に少なくとも1:1(実際にはこちらの損失はマルチプルの弾なので1より少ないが)交換が取れているし、ロール効果だとしてもその次のターンに行動を起こしにくくなる分つりあいは取れているだろう。しかし、この効果は格闘力を※にするのはあくまでそのターンのみであり、次のターンからは何事もなかったかのように場に残り続けてしまう。この差異は、すでにザンバスター装備という、バウンス能力だけなら全バウンスカードの中でもいまだにトップクラスのカードがいるクロスボーン・デッキという場所においては、X2にとって致命的な欠陥だったといえる。
 また、次にこの程度の事が出来たところでしょうがない、という要素が少なからずある。なぜかといえば、このカードの効果で止めるべき相手とは、すなわち膨大な格闘力を持った相手になることは当然だ。少なくとも4以下ならば、このカードが防御に出撃して普通に抑えてしまえばいい。しかし、問題は5以上の格闘力を持つ相手、というのは、デザイン的に5以上の防御力を持っていることが多いのだ。つまり、たいていの場合この効果を使用してブロックしても相手を破壊する事ができず、結局何事もなかったかのようにお互い配備エリアに戻るだけになってしまうのだ。一応格闘5、防御5のユニットなら理論的にはマルチプルを使って防御する事でアドバンテージがとれるわけだが、格闘5、防御5とはすなわち6国圏のユニットでありいまどきそのサイズで採用されているユニットが、同じサイズで特殊能力を持たない相手に相打ちするなどと言う事はほとんどないと思っていい。というかそもそもクロボンデッキにはX3ムラマサという交戦においてかなりのパワーを持つユニットがいるので、彼の手にかかれば格闘、防御5の単機出撃はたいていコア・ファイターからの換装で一方的に返り討ちに出来てしまう。つまり、相手はそれを警戒するので、ノコノコムラマサに迎撃されるような編成で攻撃には出てこないということだ。そうやって編成された相手に対しX2のこのテキストは、あまりにも能力不足であることは否めない。一応現在の環境で使用されるカードの中ではガンダム(ラストシューティング)※2に対してなら強いが……ムラマサ使えよ。
 他には速度的に間に合うので対策を任せたくなる中速ビートデッキを相手にした場合などを考えても、このカードはどうあがいても相手の射撃力を無効にできないため、結局マルチプルをつかってまでの効果は得られないこともしばしばだ。厳しいなぁ……
 一応、テキスト自体は確かに能力不足ではあったが、そこまでわるくはなかった。1体で片方の部隊ともう一つの部隊のブロックができるし、攻撃時にも防御出撃をためらわせる事はできる。ただ、ザンバスターとムラマサが存在した事で、クロスボーンデッキにしか居場所がないはずの彼の居場所は完全になくなってしまったのである。ただ一言、「じゃあザンバスで戻せばいいじゃん」「じゃあムラマサで消せばいいじゃん」といわれておしまいなのが現状である。
 それでもこのカードの存在価値を語るなら、基本的にザンバスを主軸としたクロボンデッキは移動という手段がきかなくなると勝ち手が見えづらくなる(特にシュートデッキ)ため、それらへの対策として、という他には先頭の格闘力が部隊戦闘力の多くを占め、ザンバスターは間に合いにくいが換装くらいなら間に合う速度のドム隊※3相手に時間稼ぎとして使ったり、一番まだ使えそうなのは対MFか?4ターン目にキャラセットからリングに出撃されると、大抵はこちらがユニットを一枚失うかハンデスを食らうかの選択を迫られるのだが、一応このカードならマルチプルを使う事でそのターンからでも破壊されず切り抜けることはできる。でも、ねぇ。相手は二枚セットなんだから、それならヒートダガーやノーマルX1で相打ちを狙えばアドバンテージは取れる。その後のアンタッチャブルドモン・カッシュ※4もそれなりに対処できるし。
 ちなみに、この紹介ではこのカードの効果を格闘力の「変更」と何度も書いてきたが、テキストにあるように、実際には※を「得る」という処理なので、乱戦※5があるとこの効果は無効になってしまう。


※1「シャア・アズナブル」……宿命の螺旋に収録された、6国力の赤いシャア。戦闘補正は堂々の3/3/3。また、セットされたユニットごと、廃棄以外の敵軍効果では移動しなくなるというテキストを持つので、強力なユニットを守る際に使われる事が多い。
※2「ガンダム(ラストシューティング)」……何度か紹介したとは思うが、このカードは相手ジャンクの数だけ格闘力をあげて、さらに破壊されるなどすると格闘力分だけ相手本国を削る。とても強力だが、どちらも格闘力へ依存しているテキストなので、X2によって格闘力を※にされると実質的に両方のテキストが無効になってしまう。……そんなことするならムラマサで消せばイインダヨ!
※3「ドム隊」……変革の叛旗によって出現したウィニータイプのデッキであり、非常に高い展開力を持つが、展開できるユニットの射撃力が1ほどしかなく、また2国ロールインからの出発となるため、4国で敵軍リロールインのクロボンなら何とか間に合う。相手の地形適正的に宇宙側ががら空きになるので、こちらが戦闘エリアに出やすいのもX2にとってはいい。
※4「ドモン・カッシュ」……エクステンションブースター2で収録された、簡単に言ってしまえば割と楽な条件で完全なアンタッチャブル効果を1ターン得られる5国のドモン・カッシュ。しかし、テキストはGFの他にはそれしかないので、素の戦闘力で勝負できれば意味はない。
※5「乱戦」……全てのユニットが全ての戦闘修正を失う、黒3国力のオペレーション。X2のテキストは相手に※修正を「得させる」ものなので、それも無効になってしまう。