斗え!クロスボーン

 昨日はちょっと忙しかったので日記をサボってしまいました。最近はやるべき事が多くて困るのですが、とりあえず今日はクロスボーンの解説をしようと思います。まずは10弾(時の末裔)に収録されていたクロスボーン・ガンダムX1から。

XM-X1 クロスボーン・ガンダムX1
刻の末裔
UNIT
U-C25 赤 2-6-1 R
【マルチプル>《[2・6]》自軍本国、または自軍捨て山の上のカード3枚を廃棄する。その場合、このカードは、ターン終了時まで+X/±0/±0を得る。Xの値は、廃棄したカードにユニットがある場合4、ない場合2とする。】
(自動A):このカードの「マルチプル」では、「名称:クロスボーン・ガンダム」であるユニットを、このカードと同じ名称のユニットとして扱う事ができる。

宇宙 地球 [5][1][5]

 まず、このカードの説明に入る前に、クロスボーン・ガンダムにとっては非常に重要な要素の「マルチプル」効果についての解説をば。そのテキストは以下の通り。

マルチプル>A
(戦闘フェイズ):《(0)毎》Aの効果を適用する。この効果をプレイする場合、コストとして、手札、または自軍ジャンクヤードにある、このカードと同一名称のカード1枚をゲームから取り除く。

 つまり、自分と全く同じカードを手札かジャンクヤードから取り除いて、特殊な効果を用いる事ができる特殊能力であり、コストを必要とする分通常のテキストよりも優秀な場合が多々ある。気をつけなければいけないのは、まず、取り除く効果はコストとして扱われているため、カードや効果のプレイ時のコストが宣言時に支払われているルールのGWでは、自分が効果を発動する事を宣言した時点ではカードが取り除かれている事。そのため、マルチプルの宣言にカットインしてのロゴスの私兵※1やシンデレラ・フォウ※2で取り除くユニットを先に取り除いて発動を妨害、といったことはできず、その代わり禍々しき波動※3などによってカットインで効果を無効にされるか、効果を発動するユニットが場から話されてしまった場合、取り除いたユニットもそのままになってしまう。
 他には、「名称:Aである」という記述ではなく、「同一名称のカード」というコスト指定がかかっているので、例えばキュベレイMk-?の持つ「マルチプル」に対して「キュベレイ」をコストにする……ということはできない。完全に同じ名前である必要がある。だが、そのコスト指定を、「名称:クロスボーン・ガンダム」である……という記述に変えるのが各マルチプルを持つクロスボーン・ガンダムに共通する能力で、したがって「クロスボーン・ガンダムX1」は、そのマルチプルのコストとして手札か自軍ジャンクヤードにある「クロスボーン・ガンダムX1(ザンバスター装備)」や、「クロスボーン・ガンダムX2」を取り除く事ができる。
 そしてあともう一つ。マルチプルは基本的に<0毎>の記述で、コストさえ支払えれば1ターンに何度でも使えるものの、まれに<0>とカードに記されている場合があり、その場合、その効果は1ターンに一度しか使うことは出来ない。


 長くなったが、ここからはいよいよ10弾に収録された「クロスボーン・ガンダムX1」について解説する。
 栄えあるクロスボーン・ガンダムシリーズ第一弾とでも言うべきこのカードだが、その「マルチプル」には<2・6>のコスト指定がかかっているため、赤の国力が2、その他なんでもいいので、国力が4発生していないと、このマルチプル効果を使用することはできず、そもそもこのテキストを持っているものとして扱われない。つまり、せっかくのコアファイターからの換装で場に早く出しても、あと2ターンほどたたなければその性能を発揮する事はできないのだ。
 だが、それだけあってその効果はなかなかに強力である。今までにダメージによって増やされてきた捨て山のカード3枚、また緊急時には本国のカード3枚もを廃棄することで、最低でも+2の攻撃力アップをすることができ、その中にユニットが含まれていればさらに+2アップする。このユニットが含まれていた場合という状況が重要で、クロスボーン・ガンダムデッキはコア・ファイターをのぞけば入っているユニットは全て「名称:クロスボーン・ガンダム」であることが普通なので、この効果でジャンクヤードに落ちたユニット(クロスボーンガンダム)をマルチプルのコストに使ってまた捨て山を掘り、格闘力をアップといった事が、割と高い確率で延々とこなす事ができる。基本的にはこの連鎖を利用して、敵軍本国へのトドメをさせるほどに格闘力を増大させる目的で使われるが、このカードは強襲も高機動ももっていないので、昔の自軍攻撃ステップに換装できた時代はともかく、今はどうやってその攻撃を通すかは考えどころ。基本的には「クロスボーン・ガンダムX1(ザンバスター装備)」で相手のブロッカーを手札に戻したり、「クロスボーン・ガンダムX2(ABCマント)」でブロックの意味をなくしたりするのが一番出来そうなところかとは思うが。
 ちなみに、一応国力さえ満たしていればタイミング的には戦闘フェイズならいつでも格闘力の強化が可能で、うまくすれば一回のマルチプルで格闘力が9にもなるので、アンタッチャブル能力を持つドモン・カッシュ※4やレイ・ザ・バレル※5がユニットに乗って大型のサイズ+移動させられないという状況になってしまった時、無理やり相打ちに持っていけるという使い方もなくはないが……それなら防御力も増えるDB7の「クロスボーン・ガンダムX1」や、カードを取り除かなくても一定のパワーを誇る「クロスボーン・ガンダムX3(ヒート・ダガー装備)」のほうが適任という気はする。
 総評としては、効果は悪くないがその他のフォローが悪く、最近ではいまいち使いづらいカード。所詮ガンダムエクシアに対して無力なところも悲しい。……また、捨て山を一度につき3枚も廃棄するため、クロスボーンデッキに茶色を混ぜた場合の主力回復カードとなる「ディアナ帰還」※6との相性があまりよろしくなく、結果的に赤単クロスボーンでなければさらに使いにくいのもまた悲しい。……突貫作業※7には使えるかもしれないが……


とりあえず、今日はこんなところで。


※1「ロゴスの私兵」……1国力で発動できる白のコマンドで、常時タイミングでジャンクヤードにあるカード2枚をゲームから取り除く。ヴァリアブルという、Gとしても扱う事ができる能力により、白系のデッキでの採用率が高い。
※2「シンデレラ・フォウ」……3国力で発動できる黒のコマンドで、相手の手札を見て、その中にあるG以外のカード一枚を廃棄させる。
※3「禍々しき波動」……G以外の敵軍カード一枚のテキストを消し、効果の解決を無効にする赤の5国力コマンド。マルチプルは[]でテキストを囲われているので通常の手段ではそのテキストを無効にできないのだが、このカードは重い分[]に覆われたテキストも消す事ができる。
※4「ドモン・カッシュ」……EB2に収録されたドモン。自軍ジャンクヤードのカード一定をゲームから取り除く事によって、そのターンの間敵軍効果の対象にならない。
※5「レイ・ザ・バレル」……18弾(戦慄)に収録されたレイ。自分は敵軍効果で移動せず、また指定した自軍セットグループ一つがそのターンの間移動しない。
※6「ディアナ帰還」……自軍G一枚をロールすることで、自軍捨て山から一枚のカードを廃棄して、一枚のカードを回復する茶色の1国力オペレーション。結果的に通常の回復より捨て山と本国の総数が少なくなってしまうので、今回紹介したカードのマルチプルには不向き。
※7「突貫作業」……自軍ジャンクヤードから、ユニットとキャラクターを一枚ずつ取り除くことでそのどちらかの種類のカードを、コマンドとオペレーションを一枚ずつ取り除く事によってそのどちらかの種類のカードを自軍ジャンクヤードから手札に戻す事ができる、茶の4(3?)国オペレーション。今回のカードは本国、捨て山に存在する中のかなりの枚数を廃棄できるので、このカードが有効に使える可能性はなくもない……と思う。