私は郵便届け屋さん

先日、年末年始にわたる郵便局の配達のアルバイトが終わったのですが、せっかくだし、ネタもないので、郵便配達の仕事をして思うようになったことをいくつか。


・家を見るときまずどこにポストがあるのかを見るようになった。
 これはまあ仕方がない。だいたい全体の5割くらいは敷地に入ってすぐ、もしくは塀の外などにポストがあるので、そう言った場合は楽なのですが、また残りの3割くらいが玄関の近くに設置されていて、その様式や形が様々なこともあって、、まず初めての家はそれを探す作業から始まるわけです。そんな癖がついてしまったせいで、先日一軒家のカタログの表紙のような物を見たとき、まっさきにどこにポストがあり、どう投函すればいいかを考えていました。
 ちなみに、残りの2割はポストが見つけづらいところにあるか、それかそもそもポストがないお家です。この「ポストがない可能性もある」というのが怖いところなわけで、ざっと見渡してポストがなかったので、2〜3日直接玄関に届けていたら、家の入り口から、大分離れたところにポストがあると指摘されたりすることもあったものです。あと、これはあくまで配達中の話ですが、ポストが大きい、または塀にある(家に入らなくても投函できる)家は配達するほうにとってはオアシスのようですね。なぜなら、大きな配達物があってもわざわざ玄関まで行かなくてもいいからです。あと、ポストにわざわざ番地名が書いてあったりするのをみると、そのさりげない心遣いに癒されます。こうしてくれる家が、ある区域の中に一軒でもあると番地がよくわからない初心者には非常に助けになるんです。そこを基準にして地図を見るとそのあたりの全体がつかめますからね。あと、これは実用的な意味ではないけど、ポストに「いつもご苦労様です」などと書いてくれている家に配達に行くとなんだか嬉しくなります。別に向こうは、そんな深い気持ちではないのでしょうが。


・犬より猫が好きになった。
 全体の中で何割かのお家は犬を飼っています。そして当然なのですが、犬は配達屋などの見知らぬ人間が家に近づくと吠えるわけです。威嚇するわけです。飛びかかろうとするわけです。昔、家の前で3〜5匹の野良犬に追いかけられた経験のある俺はどうにも犬……というか動物に近づくのが苦手で。でも最近はそんな恐怖感も薄れてきていたはずなのですが、行くたびにとにかく吠えられて、一瞬かみつかれそうになったりしていると、いやがおうにも犬への好感度が低くなってしまいます。ある家の犬は家の中から窓越しに現れて、何が憎いのか吠えながらひたすらにガラスをパンチしたりもしていましたし。まあ、番犬(だとしたらですが)が吠えなくてどうするんだというのはもっともですが。
 しかし、その一方、猫はとってもおとなしいです。無害です。俺を見て吠える事もありませんし、投函のために玄関まで近づくと犬とは逆にどいてくれたりします。とにかく、近寄っても攻撃行動を起こされないというのは、家に行くたびに何度も犬に吠えられてきた俺にとってはとっても助かることで、そのせいかいつもよりも猫がかわいく見えてきます。そんなわけで、実際に飼うならともかく、俺の中での好感度は猫>犬となっているわけです。
 でも、犬も吠えなければかわいいです。場合によっては吠えながらも何故か家の奥や犬小屋にひっこんでいくようなのもいましたが、それもそれでなんか笑えてよいです。たまに配達しに行く家にいる、おとなしい白犬の「むっく」と目があうと、不思議と活力がわいてきたものです。


・自転車の運転中に通りかかった人に、積極的にあいさつを言うべきか考えるようになった。
 郵便局のイメージを落とさないためにも、郵便配達中は通りかかった人にはあいさつするように指導がされます。でも俺はそういうのは別に苦手でもないので、極力それを守るべく、通りがかったり目があった相手にはあいさつをかかさぬように気をつけて勤務に当たっていました。そしてアルバイトが終わると、当然もうそういう義務はなくなったのですが、その帰り道、通りがかった人に、勤務中の癖であいさつを言いかけて、その時から、果たしてこのような場合にあいさつをするべきなのか考えるようになりました。今まではどちらかというと言わないで過ごしてきていた気がするのですが、勤務中あいさつをすればだいたい(85%くらい)の人は快くあいさつを返してくれたものです。そんなこともあって、その経験を経たいまでは、前のように「あまりあいさつをしない」という事は改めた方がいいのかもしれないが……という考えが自分の中で渦巻いています。まだはっきりとした結論は出ていません。とりあえず、気分のいい時には挨拶するようにしようかなくらいは考えていますが。