ニュータイプの再来

 maxsisyoはGWのデッキ構築で悩んでいた。というのも、今組んでいるデッキも大分使っているし、クロボンにいたっては本当の本気で相手を殺しに行くデッキなので、そうそうフリープレイでまわしていて楽しいようなデッキではない。しかし、組みなおそうにも「現在の形からその形に組みかえる意味」が全く不足している。外道カード、コンボをさけて構築したところで、結局デッキとしてできることが現在の形以下になってしまうのでは意味がない。
 ここしばらくの間俺はそんなことを考えていたのだが、今日ようやく別の形を思いついたので、早速クロボンを組みなおしてみた。……というわけでX1シュートをまた組みました。これもぶっちゃけソリティア系のデッキなのですが、それでもマリーダ型よりはデュエルをする気になれる……気がする。


 さて、GWルール、テキスト変更紹介の続き。

換装〔A〕(初期)
(自動B):攻撃ステップに、このカードが手札にある場合、このカードと「名称:A」である自軍ユニット1枚を、置き換える事ができる。その場合、このカードをリロールする事ができる。
「換装」の効果は、プレイヤー毎に1ターンに1回までしか使用できない。

換装〔A〕(第二期)
(自動B):攻撃ステップに、このカードが手札にある場合、このカードと「名称:A」である自軍ユニット1枚を、置き換える事ができる。その場合、このカードをリロールする事ができる。ただし、このカードと「名称:A」であるユニットは、本来の名称が同一であってはならない。
「換装」の効果は、プレイヤー毎に1ターンに1回までしか使用できない。

換装〔A〕(現在)
(自動B):敵軍攻撃ステップに、このカードが手札にある場合、このカードと「名称:A」である自軍ユニット1枚を、置き換える事ができる。その場合、このカードをリロールする事ができる。ただし、このカードと「名称:A」であるユニットは、本来の名称が同一であってはならない。
「換装」の効果は、プレイヤー毎に1ターンに1回までしか使用できない。

 GWカードwikiによると、このルールができたのが2003年2月ごろで、現在の形になったのがいつかについては記述されていなかったが、確か俺が「ルール変更のせいでせっかくでてきたX1ブースターが……!!」と思っていた記憶があるので、X1ブースターの収録弾である第15弾の発売前後、すなわち2005年の2月ごろであったと思われる。1回目の変更については不明。
 さて、ルールが変更されるよりも前、昔の時代は、全てのユニットは基本的にロール状態で出てくる物であり、またカードプールの問題で戦いは単純なサイズと取り回しのよさ(リロール能力)がものをいった。それゆえに、他に一切のテキストをもっていないながらもリロールイン能力を持っていたケンプファーなどは、それだけでも強カードとしてあがめられていたのである。その当時において、このルールは「場と手札にカードをそろえる必要がある代わりに、両ターンでリロールできる能力」という扱いだったといっていいだろう。なぜかといえば、そもそも当時は換装可能なユニット自体が少なく、さらにコア・ファイターによる換装などの例外を除き、換装に必要な国力も本来のコストと同じか、せいぜい−1くらいであったからである。それでも先ほど行ったように、この時代カードがリロールする、というだけでも十分強かったので、青ならV2、白にはアサルトシュラウド、というのが主流だった。そんな中、1度目のルール変更があり、全く同じ名称から換装する事はできなくなった。これは例えばデュエルアサルトシュラウドなど、「元機に武装などを追加した状態」であることを換装で再現したため、「換装」で指定している名称と自身の名称が条件をクリアする場合が多くなり、同じユニットが手札と場にそろっているだけで延々と換装し続ける、というのが問題とはいわないまでも、頻発したから……なのか、単純に「全く変わってないのに換装ってどういう事よ」というツッコミが入ったからなのかはわからないが、とりあえずいえることは、サイズがモノを言う当時の時代、換装する事で補給の効果を適用する効果を持つ上に、当時の4国としての戦闘力をはるかに超えるサイズをもったデュエルガンダムアサルトシュラウドが、ひたすらに同名カードへと換装ループをしつづけるのはまさにサイズの暴力であった。
 とまあそんなことがあったあと、さらにルール変更があって現在の形になった。現在の形とはつまり、「自軍攻撃ステップには換装ができない」ということである。要するに、主に出してすぐ攻撃できなくなった、ということなのだが、この変更は非常に大きく、「便利な戦闘配備」であった従来までの効果とは違った意味合いを持つ、すなわち「奇襲ブロック効果が主」になったのである。これによってケンプファー(重装備)など多くのカードが即効性を失いその力を落とす事になったが、まあしかし、当時のクロボンデッキの流れの基本であった「自軍攻撃ステップにX2ブースターに換装して殴り、その後は戦闘エリアに飛び出すマルチプルで相手の出撃に睨みをきかせる」という戦術はこれまたサイズの暴力であり、使いながらも若干「悪いなー」と感じていたくらいなので妥当な変更だっただろう。
 そして、このルールに変わってから時間がたつと、「換装」というテキストの持つ意味は更に変わってきた。というのも、従来とは違い、非常に広い換装対象や、元のコストに比べるとずいぶん軽い起動コストである換装を持つユニットが次々と登場してきたからである。これによって換装は「主に吃驚ブロッカーとして使う」といった意味から「ユニットを早だし、もしくは換装元とあわせて展開する」という意味が非常に強くなってきた。特に現在大手を振っている「コンビ」持ちのユニットはほぼ100%が対象も広く、国力も軽い換装を持っていることもあり、いまや換装持ちのユニットを全く採用していない、ということは(持っているが使わないという事はあっても)ほぼ皆無となり、結果「換装」を持つガンダムを除去する効果を持つ火星ガンダムF90が台頭してきたりしている。……というわけで、「換装」によってできることが全く違ってきている今の状態で、もしそのテキストが旧世代に戻ったりしたら、GWの高速化は更にすすみ、阿鼻叫喚の地獄絵図ともなりかねない。
 なお、「戦闘エリアにいる際に、手札にいる自軍ユニットに換装を与える」という効果を持つガンペリーというユニットがいるのだが、このルール変更によってほぼ完全に意味のないテキストにってしまったという悲しい事件がある。先日紹介したパターンと違い、効果の追加ではなく制限の追加であるためこのようなことが起こるわけだが、後日紹介予定の「クイック」よりはマシであることは言うまでもない。


補給(X)
帰還ステップ):《(0)》このカードと同じ部隊にいる、リロール状態の「艦船」「拠点」を持たない、X枚までの任意の枚数のユニットは、このターンの帰還ステップの規定の効果でロールしない。
(注:ロール状態のユニットをリロールする事はできない)

補給(X)
(帰還ステップ):《(0)》このカードの部隊にいる、「艦船」「拠点」を持たない、リロール状態の自軍ユニットX枚までは、このターン、帰還ステップの規定の効果でロールしない。

 効果自体は全く変わらないのだが、途中までは上のテキストであったらしいので一応紹介。「と同じ」や、「枚までの任意の枚数」といった表現が短くまとめられている事に始まり、注釈のテキストが一切カットされている。前者の表現はともかく、注釈については、それまでそもそも「リロールする」効果ばかりで「ロールしない」効果はなかたっため、その違いでプレイヤーが混乱しないように付けられた物であることが予想できる。時間がたって「補給」というテキストがどういうものであるか浸透してきたので、その注釈を取っ払い、ついでに無駄な部分をまとめたのが現在の形、というところだろうか?



ヴァリアブル(X)
(自動B):《[0・X]》このカードは、自軍配備フェイズに自軍配備エリアにリロール状態で出す事ができる。その場合、以後、このカードは特殊Gとして扱われ、第2テキスト以外の全ての記述が無効となる。この効果は、Gのプレイとしても扱う。
※この効果で場に出たカードは、逆向きで管理されます。
また第2テキストは、この効果を使用しない場合、適用されません。

ヴァリアブル(X)
(自動B):《[0・X]》このカードは、自軍配備フェイズに手札、または自軍ハンガーにある場合、自軍配備エリアにリロール状態で出す事ができる。その場合、以後、このカードは特殊Gとして扱われ、第2テキスト以外の全ての記述が無効となる。この効果は、Gのプレイとしても扱う。
※この効果で場に出たカードは、逆向きで管理されます。
また第2テキストは、この効果を使用しない場合、適用されません。

 これもまた特殊ではある上に、確固たるソースはないのだが、俺の記憶上非常に早い変更ではあったが、変更されていたはずと判断したので、テキストの変更具合もうろ覚えながらこの記述を暫定とし、紹介させてもらう。
 さて、上のテキストと下のテキスト、一体何が違うのかお分かりだろうか?といっても追加されている文章が長いためにすぐ目には着くだろうが。そう、変更前には、「手札または〜〜」からがまるまるないのだ。こうして比べてみるとよくわかるのだが、当時は「ヴァリアブルは要するにGにできるコマンド」という認識が浸透していたので、このテキストがないことに違和感を持つ者は少なかったのだが、当然気付く人もいた。そして、彼らはこう思ったのである。「このテキストだと、さすがに本国や捨て山からはともかく、ジャンクヤードからでも出せるんじゃないか?」と。そう考えると、確かに出せるという道理が微妙なのに対し、出せないという道理はないのであったため、ただのテキスト不備とは思われながらも、これを知った多くのプレイヤーはなんだか妙な胸騒ぎを感じていたのかもしれない。
 そして、結論としてはもちろんそんなことはなく、テキスト不備に気付いた販売側によって即テキストは修正された上、修正されるまでのわずかな間にも手札やハンガー以外からヴァリアブルで出てくるといったプレイングは一切認められなかったので、この騒動は存在しなかった扱いになっているといってもいいだろう。そういうわけで、ここに書いてあることがひょっとしたらまるまる俺の勘違いの可能性もあるが、まあそんな責任ある記事ではないので許して欲しい。