カラーズトラップ−販促の紫

昨日の内容にちょっと誤りがありました。テキストの国力コストの条件においては、デュアルカードの場合「右側の指定国力」の色で支払う必要があるようです。つまり、緑や黒が混じっている場合は、その色で支払う必要があるという事ですね。すみませんでした。

GWルール変更解説の続き。

・「紫の指定国力を持つデュアルカードのプレイ」

※変更前
どちらかあるいは両方の指定国力で「紫」が指定されているデュアルカードをプレイする場合、紫の指定国力は紫以外の任意の国力で支払う事ができますが、それぞれ異なる種類の国力で支払わなければいけません。

※変更後
片方、または両方の指定国力で「紫」が指定されているデュアルカードをプレイする場合、 X枚以上の自軍紫基本Gが場にある状態、または3種類以上の自軍国力が発生している状態で、 それぞれの指定国力を異なる種類の国力で支払わなければ、プレイできません。Xの値は、どちらかの「紫」の指定国力の値と同じとします。このルールは、通常のプレイ以外でコストを支払う場合にも適用されます。


 変更というかもはや完全にテキストの書き方までかわってしまっているが、エクシアヴァーチェが猛威を振るい、これからもさらに強力なOOユニットが現れるだろう、ということが誰の目から見ても明らかだった2009年の9月18日、このルール変更は起こった。これによりどこでだってその姿を見られたダブルオーのカードを実戦で見ることはぐっと減り、特に4国帯ダブルオーユニットに関しては、せいぜいエクシアが使われているかどうか位で、かつてあれだけ使われていたのが壊滅とすら言っていい状況になってしまったのだが……
 ともかく、まずは変更前のルールから解説していこう。変更前のルールでは、「紫」の指定国力はあくまでGWにおける「紫」つまり「無色」の意味で用いられており、どの色でもそれを支払う事ができるが、片側に使ってしまった色を併用して支払う事はできない。例えば緑1、紫2というデュアルカードの場合、緑2は緑で満たす必要があるが、紫の部分は他の5色(この場合は青、黒、赤、茶、白)のどれでもいいので、その国力が1あれば満たす事ができる。なお、紫国力ではこれを満たす事はできないという裁定なので、貴族主義抵抗派など、昔によくあった「色を発生しない代わりに何らかの効果のあるG)ではこれを支払う事はできない。……さて、つまるところデュアルカードとは他のカードよりも指定国力の支払いに面倒がかかるカードのことなので、その分カードのパワーとしては、同じ合計国力帯のカードより高くなるように設計されている。だが、ようするに当時非常に高いパワーを持っていたダブルオーユニットを使うにはデッキが混色でさえあればよかったので、確かに事故要素などはあったものの、もともと混色と単色のデッキパワーを比べた際に、どちらが上、というわけではない。そこに単色では考えられないレベルの強力ユニットが混色専用で現れたとなれば、結果はもはや火を見るより明らかであり、実際そのとおりになった。……世はまさに、大介入時代を迎えたのである。
 時代が進めば進むほど、明らかに単色でもなんとかダブルオーにわたりあえることを目的としたユニットなどは各色にも登場してきたが、それでもエクシアヴァーチェのツートップはあまりにも強力だった。エクシアはクイックのルール改定や、明らかにエクシアを突破する事を視野に入れたテキストを持つカードなどが増えてきたことによっていなしようのある相手ではあったが、当時のヴァーチェはサイズなどの問題で、そいつならではの弱点といったら同じ混色で使用することが念頭に置かれているダブルオーやナドレくらい、といった感じで、「こいつをつぶすにはこいつ以上のカードを使うしかない」という状態であった。……何が言いたいのかというと、4国ユニットとしてはぶっちぎりの最強戦力であった。
 そんなどこを見てもダブルオーで、イベントのガンスリンガーでも「最強色決定戦!」と言っておきながら「2色以上の基本Gを入れたデッキ」つまるところ混色を「ダブルオー色」として設定されたことにより、「ひょっとしたらこのイベントではダブルオーを見なくてすむのではないか」というかすかな期待をコナゴナに打ち砕かれた事もあったりし、最終的には「正直もうダブルオーがどうこうとか以前にOガンダムをどうにかしてくれ」と誰もが思っていたとき、このルール変更は起こった。そして、ダブルオーには試練の時が訪れる事となる。
 この変更後のルールを解説すると、つまり、今まで2色以上出してさえいればどんなデッキでも使えたダブルオーのカードが、基本的には「紫基本G」という、GWにおいてある意味最弱のカードをデッキに投入し、しかもそれを場に出さなければ使えなくなったという事なのである。このゲームにおける基本Gとは、テキストに「(自動A):(色)国力1を発生する。」とのみかかれているものの事を指すので、つまり「紫基本G」とは「(自動A):紫国力1を発生する。」というGカードのことだ。あたりまえだが、このゲームにはあくまで「ダブルオー」として紫の強力なカードはあっても、紫単体の指定国力で使えるカードはほぼ存在しないといっていい。なので、この「紫基本G」は、ダブルオーのカードを使うとき以外、(カード単体の効果としては)一切の役に立たないカードなのだ。もし最初の手札にこの紫基本Gしかなかったらそれだけで事故に近く、またGなので引き直しすらできない。そして、この「基本G」という限定した記述により、各種便利な特殊Gでごまかすという手段も使えない。このような言ってしまえば致命的なカードを使わなければならないというのが、ダブルオーのカードに付けられた、いわば枷となったのである。なお、別の支払い方として国力を3種類発生させるという方法もあるが、GWにおいて3色以上の組み合わせを考えたデッキは基本的に使えるとは言いがたく、また一部のヴァリアブルに存在する「このカードは〜を発生し、それは〜としても扱う」というGを使ったとしても、「コストの支払い時にはどちらかを選んで支払わなければならない」という裁定により、そうしたカードでごまかす事もできないので、現状あんまり現実的ではないといっていいだろう。ただ、青、緑、赤、黒の4色それぞれの組み合わせで、普段は紫を発生しているが資源を支払う事で、自軍ターン中だけ指定されている2つの国力のどちらかを使うことができるという特殊Gを、それが発生している色があっている混色デッキで使えば、他のGでそろえた2色+変更前の紫で3色扱いとなり条件を満たせるため、この方法でコストを支払う場合ではこれがもっとも無難なやり方だろうか。ただ、これをやるとデッキの中の特殊Gの制限の関係で、色事故の防止にもなるタメGを採用しづらくなるので、総合的に考えるとやはり……ではあるか。あと、この方法では必然的に支払う必要のある指定国力+1分の国力が必要となるので、指定国力の総計と合計国力の値が同じであるエクシアヴァーチェ、Oガンダムなどは最速でプレイすることが実質不可能である。
 だが、これらはあくまでいわば「出すまでの壁」であるため、なんとか理想どおりに紫Gと他のGを並べ、実際に各種ダブルオーのカードを使うことさえできれば、その強力さには幾分衰えもなく、ある種のアドバンテージを持って戦う事ができるだろう。ただ、昔猛威を振るった4国力のダブルオーユニットは、「4国ならではの強さを活かすには、4ターン目に紫基本G2枚と他のGをコンスタントに並べなければならない」という条件が足を引っ張り、結果5国のダブルオーユニットや、それ以下で紫指定が軽いユニットを使うのが主流だといっていいだろう。なお、多くのGWプレイヤーの頭を割らんばかりに悩ませ続けたあのOガンダムは、「指定の合計と合計国力が同じ」ということと、紫基本Gを使うことによるテキストのパワーダウンのため、もうほとんど見なくなったといっていい。詳しくは後日、Oガンダムエラッタ説明の時にでも。
 しかし、どれだけ多くのプレイヤーが「ダブルオーをなんとかしてくれ」という声をあげていてもそれに答えることはほとんどなく、いざアニメが終了した途端にこの裁定が下る当たり、いい意味でも悪い意味でも、「ダブルオー放送中はダブルオーを売りたかったんだな」としか考えられない結果になったといえるだろう。