今日こそは禁止カードの解説するぜ。

 明日は合格祝いと称して弟を秋葉原に連れて行く予定です。とりあえず飯食って、街中歩いた後フィギュア間辺りにでも連れて行って、時間余ったら上野に移動して子供図書館にでもよるつもりですが、さてどうなる事やら。


 別に誰も待っているわけではないでしょうが、とりあえず2日休んでしまったので、今日こそはGUNDAM WARの禁止カード(メンテナンス中カード)の解説をしようと思います。カードの名称は以下の通り。


・2G
オーブ連合首長国
・オノゴロ島
・強行偵察


・2G
 通常のGとは異なり、「1枚で2つ分の国力を発生するが、次のターンのドローフェイズ開始時に破壊される」という性質を持つ特殊Gの通称。GUNDAM WARに参戦している6色全ての分が存在し、青は「サイド6住民」
、緑は「ギレン・ザビ狂信派」、黒は「NT研究所関係者」、赤は「ハマーン・カーン支持派」、茶は「ゲンガナム市民」、白は「マリーメイア支持者」となっている。
 とりあえず通常はG1つにつき1しか発生できない国力を、これら1枚で2発生することができるので、その場での自分プレイヤー側のゲームの展開を早める事ができるのだが、「自軍ドローフェイズに破壊される」というテキストを持っていることによって、次のターンの開始時にはエリアから消えてしまうという特徴がある。そうなると、発生していたはずの国力も丸ごと消えてしまうので、それ以降の自軍プレイヤー側のカード展開は必然的に通常のGを配備していた場合より-1の速度になってしまう。これはあまりにも痛いところで、一瞬だけ国力アドバンテージを得たところでその後が続かないのでは基本的に勝利は難しい。一応各種「Gの破壊を無効にする」等の効果を持つカードで存続させ続けて恒久的にアドバンテージを得る方法もあることにはあるが、逆に言えばそうまでしなければアドバンテージは取れないのだ。やはりその実用性は薄いといえるだろう。
 ただ、問題なのはこのテキストの性質なのだと思う。つまり、「国力のブースト」という性質だ。エキスパンション落ちのないカードゲームの宿命として、GUNDAM WARも新弾が発売するにつれ強力なカードが現れてきている。つまり、出るだけでも相当のパワーを持つカードが増えていると言う事だ。そしてそれらのカードに対して、同じく新弾などで新しく追加されたパーツ、環境的に今に合う昔のパーツをを使ってデッキを改造して対抗していくのがカードゲームの流れとなるわけだが、「国力」というコストのあるこのゲームでは、何をするにも基本それが必要となる。そして基本的に、強いカードには同じくらいの国力の高い強いカードで、などでなければ対策しづらいのだ。そんな中、「片方だけが国力を加速させる」というのは非常に危険な行為だ。つまり、ブーストしたほうが色々と相手の現在の国力域では対策のしづらいカードを出して、その後何らかの効果でG破壊、手札破壊などをしてしまえば、ブーストした側の勝利がほぼ確定してしまう。2Gは、ゲームをソリティアにする危険性を高めているのだ。実際、トーナメントシーンにおいて2Gを採用しているデッキには、青一色のデッキにタッチでゲンガナム市民を混ぜて、第七時宇宙戦争を狙う、などという面白いデッキがあることはなく、せいぜい2Gでブーストして各ユニットを配備して血のバレンタインで手札を流して終了、などという勝負をしようともしていないデッキがあるのみだ。2Gというカード自体は悪くないのだが、どうしても性質上ソリティア的なデッキを生み出しうるのが問題だったのだろう。
 ちなみに同じように国力のブーストができる「クイックG」にお咎めなしな理由は、まあ一言で言えば「1枚で発生できるのは1国力だけだから」だろう。新たな火種などのG交換カードと併用すれば恒久的なブーストもできたりするが、所詮コンボである。


オーブ連合首長国
蒼海の死闘
Generation
G-8 C
(自動A):このカードが属するセットグループは、リロールフェイズの規定の効果でリロールしない。
(常時):《R》このカードは、ターン終了時まで、自軍が発生している国力と、同じ色の国力2を発生する。

 上記の「2G」のある意味パワーアップ版とも言えるカード。どっちも大抵一度限りしか国力を発生できないという点で共通している。自軍Gがこのカードしかない場合国力が発生できない、敵軍ターンに国力を発生していないなどの点はあるものの、自軍が発生してさえいれば色を選べる、他のGを配備する前から出しておいても後で使える、など基本的に上位互換といえるだろう。実際、各ブースト〜〜というデッキに採用されるのは大体このカードだ。
 とりあえず、その危険性は「2G」の欄で述べたとおりである。この手のブーストカードは「相手にゲームをさせないデッキ」を製作する上での手助けとなってしまうのだ。かつてこれを「政治的圧力」※と組み合わせて永久に使うという面白いギミックも存在していたのだが、やはりそんな回りくどいデッキが人気を博するような事はなかったし、このたびの実質禁止カード化でもう二度と実現しないギミックとなってしまった。悲しいが、ブースト→エンドカードというソリティアゲー防止のためには仕方あるまい……


※「政治的圧力」……黒3国力のオペレーションで、プレイされたGは全てロールイン、かつロール状態の全てのGのテキストを消すという効果を持つ。テキストが消えると言う事は「国力を発生する」という効果が消えると言う事なので、つまり、基本的にはGの展開をお互い1ターンだけ遅くする効果なのだが、この自軍「オーブ連合首長国」と組み合わせると、自身の効果でロール→2国力発生→次の自軍リロールフェイズ、テキストが消えているので通常通りリロール可能→以降ループ、という胡散臭いGブーストがかつて出来た。


オノゴロ島
烈火の咆哮
UNIT
U-12 紫 0-2-0 C
拠点
(自動D):このカードがリロール状態の場合、紫の指定国力を持つカードがプレイされて場に出る毎に、カード1枚を引く。この効果は重複しない。

地球 [*][1][4]

 あらゆる紫の指定国力を持つカードがプレイされて場に出れば、その度にカードを1枚引けるという効果を持つ拠点。このカードがリロールでないと効果が発動しないので、基本的にこのカードをプレイしてから1ターンたたなければ効果を起動できないが、国力は2で使いたい紫カードの始動にはまず被らないし、防御力も4あるので大抵変な焼きに焼かれることもないだろう。その効果が起動してしまえば、重複しないとはいえ場に出た瞬間にドローでき、さらに1ターンに何度でも効果が起動することを示す「毎に」という表記があるので、そのドロー力とスピードは尋常ではない。さらに、プレイされたのが敵軍カードですらドロー可能であり、重複はしないが手札に来た2枚目は普通にプレイすることでやはり1ドローに化ける。
 こうして書くだけでもおそろしいカードなのだが、何故今の今までまるで放置されていたのか。それは簡単な事で、当時……というか最近まで、紫の指定国力を持つ強力なコマンド以外のカードなどほぼないといっていい状態だったのだ。せいぜいが「凌駕」どまりであり、そのようなデッキにせいぜい2〜5枚どまりの紫カードのためにこのカードを入れる必要性はまるでなかった。
 しかし、今は既に事情が違う、というのも指定国力「OO」を持つソレスタルビーイング製の各ガンダムが非常に高いカードパワーをもっているからだ。かのカードは二種類の指定国力を必要とするが、それでも指定国力は紫扱いなので、出てくるたびにこの効果でドローできてしまうのである。さらにその内の2枚、キュリオスとエクシアはクイックまで持ち、展開力も非常に高い。そしてその展開した分だけまるまる手札を補充してしまうのだ。場を整えながらドローしているのだから正直始末におえない。
 だが、そのような詐欺まがいのドローソースがありながらも、結局「ブリッツクリーク」でまとめて
勢を出してから各種制圧カードを使ったほうが強いと言う事で結果的にあまりこうしたデッキタイプは見られなかったようだ。(多分、オノゴロの効果はプレイされたカードが敵軍でも使えてしまうため、ミラーになった時ややこしくなるというのもあったような気はするが)しかし、ブリッツクリークは制限カード化し、その後ブリッツクリークを失ったOOデッキが「オノゴロOO」へと移行していくのを先読みした形でこのカードは禁止になったといえるだろう。
 まあ、個人的な意見を言うと、正直いつかは禁止、制限になるカードだったとは思っている。OOがいなかったとしても、カードプールが増えればいずれ紫のパワーが上がってくるのも必然で、そうなればこのカードはもはや往年のガトルやドップを思い出すほどのドローソースだ。なので、とりあえずこのタイミングでの禁止化は正しい事だと思う。


強行偵察
革新の波濤
COMMAND
C-45 緑 1-1-1 C
プリベント(3)
(常時):特殊G1枚を破壊する。

 時代的にはかなり昔からある特殊G対策。逆に言えばその時代だからこそありえた効果であるともいえる。特殊G対策としてはこの上ないほどに優秀で、合計1、タイミングが常時、プリベント3と至れり尽くせり。もはやこれに対する対抗策はキリマンジャロの嵐や各種破壊無効などの根本的なところにしかないとすらいえるだろう。そして、このゲームにおいて「G割り」というのはそれができるだけで勝利を決めかねない要素ですらある。
 少し前なら「特殊G」といえば本当に「特殊なGカード」の事であり、基本的に入るデッキを選ぶカード達だった。1枚たりとも特殊Gを入れる理由のないデッキすら多く存在し、このカードは緑がらみのデッキのサイドにしのばされてたまにカウンタークスィーなどのデッキを手玉に取るくらいが仕事であった。
 しかし、ごく普通の「基本G」以外のGが全て「特殊G」とみなされるGUNDAM WARでは、その後新ルールによって追加された「解体」「ヴァリアブル」によって発生したGも「特殊G」となり、つまりこのカードで破壊の対象に取れてしまうのだ。
 それでも「解体」程度ならばやはり入らないデッキもあったし、入っていたとしてもテキスト始動にカットインで何かされるとG配備に失敗する上にプレイ権を使用してしまうという致命的な弱点も多かったため、まだこのカードのパワーが問題視されるような事はなかったのだが、「ヴァリアブル」となると話は変わった。ヴァリアブルは通常でもプレイすることで何らかの効果を持つコマンドをGの代わりとしても使う事ができるシステムで、これらを採用する事でボード的には全くの無力であるはずのGがパワーを持ち、デッキパワーの底上げとなる。つまり、基本的にどんなデッキであっても種類は選ぶにせよ「入れない理由はない」のだ。少なくとも最初に収録されたヴァリアブルである各種6枚については、色の合うデッキなら基本的にフルで積まれているだろう。
 そしてどんなデッキにも基本3〜6枚程度のヴァリアブル(特殊G)が入っているという環境は、このカードが君臨して当然とすらいえる場であったことに疑いはないだろう。緑関係のデッキならもはやメインから積まれている事も珍しくはなく、何枚ものヴァリアブルを叩き割ってきた。
 個人的にはこのカードの存在はヴァリアブルが基本Gに比べて完全上位互換と呼ばれる事を防ぐほぼ唯一の点だったので、恐れながらも存在を認めていたのだが、まさか禁止とは予想外であった。せいぜい制限どまりだとばかり思っていたのだが。ただ、禁止にしてもしょうがないほどに環境を荒らしていたカードであることに疑いはないだろう。さすがにヴァリアブルを入れるほうが悪い、とはいえないし。それでも、やはり制限辺りにしとくのが微妙にヴァリアブルを抑えられて一番だと思うのだがなぁ。



・総評
 制限、禁止カードの改定直前で問題になっていた「ブリッツ地球侵攻OO」「ハリソンAW」などに対してキーカードの制限化で対策をし、またその後同じようなほぼ一人回しのデッキが出てくるのを防ぐためにオノゴロや各2Gにまとめて制限をかけた形になった。とりあえず「問題とされているデッキタイプの排除」という一番やらなければいけない事は抑えているので、個人的には割と、結構いい制限改定だったのではないかと思っている。しかし、OO勢やハリソン機のカードパワー等に対してはノータッチなので、とりあえず売り筋のカード自体は無規制な結果となった。やっぱ売り上げ重視か……?まあそれならそれでもいいのだが、とりあえずそうするならエクシアを再録して欲しいです。一部のブルジョワしかOOデッキを使えない現状はよろしくないだろう。別に俺が使いたいわけではないですが。
 ただ最近のデッキでも第13独立部隊デッキなんかは勝てるデッキ、勝てないデッキが別れすぎてしまっているので若干問題な気はするが。あれは本当にクロボンとかその辺のバウンスを得意とするデッキでもなければどうしようもない……まああれに制限をかけるのはさすがに新しすぎるし、今回問題とされていたデッキよりは何とか戦える相手であるのは事実だが。
 しかし、強行偵察の禁止化はどうにもヴァリアブルを売りたがっているようにしか感じない。さっきもいったが、せいぜい制限にしておけばまだ「ヴァリアブルを入れるかどうか」という読み合いが発生して面白かったのだがなぁ。特殊G破壊としては貴族主義抵抗派とかもあるけど、正直困らせられる事はあっても「ヴァリアブルを入れるか入れまいか」というほど問題にするカードではない。まあヴァリアブルが充実していくとデッキの「やれる事」が増えるのでゲームとしては面白くなるでしょうがね。所詮Gの代わりなので、多く入れすぎても全部使いきれるわけではないし。……ただ、やっぱ金をかけなきゃ勝てなくはなりそうだ……